第25章 帰還
「ほお、貴様がピグリンの能無し王か」
ブルートドラゴンが、鉤爪で掴んだピグリン親子を振り回すかのように喋り出した。俺は負けじと言葉を返す。
「そのピグリンを離せ」
出来るだけ低い声で言ってみたが、ブルートドラゴンは不思議そうに首を傾け、それからようやく片手にいるピグリン親子へ目を向けた。
「ああ、無能ピグリンだったのか。てっきりただの瓦礫かと思ったぜ……」
と言うなり、ブルートドラゴンはゴロゴロと雷鳴のように笑い出してとても不愉快だった。俺はドラゴンが何をするのかと身構えていたのだが、次の瞬間ピグリン親子を放り投げたので言葉を飲んだ。
「くっ……!」
城の外はガストバイオームになっているので、あちこちがマグマの池だらけだった。ピグリン親子がマグマに落ちてしまうかも分からない。俺は間に合えと頭の中で何度も叫びながら吹き飛ばされていくピグリン親子を追いかけた。
ドシーン……!