第25章 帰還
来る時はあんなに大変だったデルタバイオームも、初めて見て驚いたガストバイオームも、エリトラでひとっ飛びすれば難なく切り抜け、あっという間にピグリン城が見えてきた。
見通しのいいガストバイオームから見えたブラックストーンの構造物……ピグリンの城……は俺が見た時よりますます酷い有様で現れて息を飲んだ。
そして、それは近付くにつれその惨状さは鮮明になり、既に外には多くのピグリンや子どもピグリンなどが逃げ出したりうずくまっていたりしていた。
「王様!」
全身を金装備で固めたピグリンがそう言って近付いてきた。見た目も声も見分けがつかないが、全身装備していることから恐らく途中で分かれたピグリン兵の一人かと思われた。
「ご無事な帰還、何よりです。実は、緊急事態が起こりまして……」
「知ってる。ドラゴンが来たんでしょ?」
「その通りでございます。こちらにはもうピグリンブルートはいないのですが、更なるピグリンブルートを要求してきて……」
兵は言葉を詰まらせた。続きは聞く必要はないだろう。