第24章 駆け抜ける戦場
ドォーン……!
せめて直撃は避けようと飛び退いたが爆風がダメージを許さなかった。
俺の足は瞬く間に床から離れて吹き飛んだ。今度は床ではなく、そこで戦っていた敵か味方の誰かにぶつかって一緒に倒れた。
俺は素早く立ち上がったが、運がいいのか悪いのか、下敷きになっていたのはゴエイくんでホッと息がつけた。
「ごめん」
「いえ、貴方が無事なら」
言葉短く交わし、ゴエイくんも立ち上がって先程爆発があった方を見やる。エヌがTNTを投げてくると分かっていたのか、味方のおおよそは爆発の直撃を避けたみたいだが、敵は半分程数を減らしていた。
「ヒーローってのはあとから来るものっスよね、兄貴!」
こっちはダメージを受けているというのに、やってやりましたぜと言わんばかりに得意げになるエヌがそこにいた。
「ちょっと、ここではTNT使わないでって言ったでしょ!」
と俺が言うとエヌは目を見開いてすみませんと平謝りした。
「あの状況を打破するにはこれしか思いつかなかったんスよ……」
そうエヌは申し訳なさそうに頭の後ろをさすった。
「まぁ、無事だからいいけど……」