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俺、ピグリン王になったみたいです

第22章 戦闘、開始


「何が……」
 言いかけて振り向いた先に、倒れているゴエイくんの姿があった。一瞬息が詰まり、その隙に奇襲を掛けてきた相手が俺の懐に潜り込んできた。すかさず剣を振ったが間に合わなかった。
「うっ……?!」
 みぞおちを殴られるとこんなにも苦しいのか。俺の体は簡単に吹き飛ばされ、床に何度も転がって止まった。踏ん張らなくては、壁沿いにあるマグマの溝に落ちてしまう。ネザライト装備とはいえ、この痛みはとんでもないダメージだ。
「おい、そう簡単に王を潰すなよ?」
「すみません、騎士長」
 どうやら猛攻騎士団長らしいピグリンブルートが言ったことに、その部下が軽く頭を下げているのが見えた。俺がピグリンの王であることは、ピグリンブルートたちにも伝わっていることらしい。
「お前たち、やれぇ!」
 俺が起き上がる内に、猛攻騎士団長のピグリンブルートが合図を上げた。いっせいに動き出したピグリンブルートたちは、俺やクロスが引き連れていたピグリンとピグリンブルートたちに襲いかかった。
 俺も応戦しようと立ち上がると、目の前に剣の切っ先を受けられて動きを封じられた。
「頭は頭とやり合うのがお約束だよなぁ?」
 猛攻騎士団長だ。
 俺は出来るだけ酷く相手を睨みつけてやった。すると嘲笑うかのようにゲラゲラと荒らげた声を返された。
「まさかお前みたいなちっぽけなやつがピグリンの王だとはなぁ?」
「うるさいなぁ」
 こういうヤツ程よく喋るってどこかで聞いたっけ。俺はあまり耳を貸さないまま左手のバケツを振りかざした。
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