第3章 ピグリンとドラゴン
「えーっと、ブルートドラゴンって……?」
ブルートドラゴンを倒すかどうかは置いといて俺は訊いてみた。護衛ピグリンは嫌がる様子なくスラスラと答えてくれた。
「最近突如現れた謎のドラゴンです。ドラゴンは我らの城を襲撃し、生活を脅かしているのです」
「へぇ……」
正直、ピグリンたちの生活なんてどうでもいいんだけど。周りをちらちらと見て気付いたこともあった。ここがピグリンの城だとしても、あるモブがいないということに。
「ピグリンブルートは? ドラゴンならブルートが倒せそうだけど」
「それが……」途端に護衛ピグリンは俯いた。「ドラゴンが急に現れて、城にいたピグリンブルートたちを連れ去ったのです……」
「連れ去った?」
あのブルートが、大人しくドラゴンの言うことなんか聞きそうにないんだけど……と俺が考えていると、護衛ピグリンはさらに説明を続けた。
「城の安全を引き換えに、ピグリンブルートはドラゴンの根城へ向かいました……こちらの被害も大きかったものですから」
そう言いながら、今の今まで姿勢のせいで見えなかった腕の傷を見せてくれた。大きな引っ掻き傷のようなものがまだ赤く残っていて痛々しい。