• テキストサイズ

俺、ピグリン王になったみたいです

第2章 よくある展開


 確かに、エンドラ討伐のためにピグリンに金インゴットを渡すことはよくある。ただ、金塊ってなんだろう。落としたものを拾ったくらいで王になれるものだろうか。考えたが心当たりがない。
「ところで、他のお仲間はどうされたのですか? エンダーマンを連れた方もいましたよね」
「エンダーマンを……?」
 そんなことあったっけ、と俺が記憶を探った時、そういえばずっと前に、ぼんさんがエンダーマンを仲間にしていたことを思い出した。エンダーマンがいないと嘆いているところ、ようやく見つけたエンダーマンを大事にするとぼんさんが仲間にしていたんだっけ、と。
 ということはつまり、ここは「モブが仲間になる世界」でエンドラ討伐をしたところ……? という推察までは出来たが、どうして今更俺がこの世界にやって来て、どうやって元の世界に戻れるのか全く検討がつかない。
「どうしました? おんりー王」
「あー、いや……」俺は考えながらこう質問をした。「エンドラのことは知ってる?」
「エンドラ……?」
 護衛ピグリンは顎に手を当てる仕草をして考える素振りをした。これは知らないかもなと思いながら、こう付け足した。
「エンダードラゴン。ドラゴンのことなんだけど」
 すると護衛ピグリンは、微妙な反応をした。ああ、と呟きながらも、まだ不審そうな表情をしつつ……といっても、ピグリンから表情を汲み取るのは難しいのだが……こう答えた。
「エンダードラゴンのことは分からないのですが……」と護衛ピグリンは一旦言葉を切る。「ドラゴンといえば、この世界にはブルートドラゴンがいます。我らは今、そのブルートドラゴンに苦しめられているのです」
「ブルートドラゴン?」
「はい」護衛ピグリンは頷いた。「おんりー王は、そのブルートドラゴンの討伐のためにここに目覚めたと思ったのですが……ご存知ないですか?」
「ああ……」
 これはよくあるRPGの展開だ。俺は曖昧な回答をした。
 護衛ピグリンは俺の心境を知らない様子で話を続けた。
「おんりー王には、ブルートドラゴンを倒して欲しいのです。このピグリン城と国の平穏のために……」
/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp