• テキストサイズ

俺、ピグリン王になったみたいです

第18章 密かな作戦


 ピグリン兵たちがエリトラの練習をしている間に、俺は別の作業に取り掛かっていた。
 武器庫にあった大量のTNTを持ち込み、ドラゴンがいる位置をエヌから聞いた俺は、ずっとツルハシを振り続けていた。
 ゴエイくんたちもついて来ると言って来たが、まずはエリトラの練習が優先だと言い残してこうやって壁を掘り続けているのには理由があった。
 上手くいくだろうか。
 不安をよそに作業を続け、バキリと何本目かのブラックストーンのツルハシを折ったと同時に目の前が開けた。
 直後には猛烈な熱気が流れ込み、眼下にはマグマの海……というよりは溝が見えた。
 俺はゆっくりとその先を見渡してみた。中はドーム屋根に円形に広がった大きな部屋で、壁際にはマグマの川が出来ていた。
 そしてその中心に黒い塊……ドラゴンが眠っていた。
 これがブルートドラゴンか、と俺はよく観察してみた。見た目はエンドラとそっくりそのままで、今なら奇襲をかけても勝てるんじゃないかとも思ったが、ここは冷静に作戦を実行した。
 作戦というのは、ドラゴンの周りの壁にTNTを仕掛けることである。
 回路もフレイムもないこの状況で上手くいくかは自信はなかったが、ピグリン兵や見張りピグリンブルートはTNTが上手く扱えないとのことで思いついた作戦であった。自分にしては不安定な作戦だが、何もしないよりはいいはずだ。
 それに、今はドラゴンも眠っている。今の内にTNTを出来るだけ壁に埋め込み、いざ正面対決した時に俺が弓矢で狙い撃って起爆させれば、きっと大ダメージになるはずだ。ここはエンドラと違ってクリスタルのようなものはない。上手くいくはず。いってくれと願ってTNTを置き続けた。
 それに、俺にもしものことがあっても、クロスが代わりにやってくれるだろうし。
 いや、死ぬのは嫌だけど!
 今はそんなことを考えている場合ではない。俺は自分の出来ることを着実に施し、TNTを使い切ると来た道を引き返して行った。
/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp