第2章 よくある展開
俺は慣れない玉座に座りながら周囲を見渡して考えた。
周りはブラックストーンに囲まれた、恐らく廃要塞だ。俺のいる玉座はその要塞のど真ん中にあるようで、そばの周辺はマグマになっていて熱気を放っていた。
そして玉座はふんだんに金ブロックで作られていて、装飾には真紅の木の加工品が使われていた。いつものあのゲームとはわずかに違う点も見られる。
他はピグリンがあちこちをウロついていて、俺と目が合うと仰々しく跪くやつらばかり。なんで俺がここの王様になったんだ?
「あのー、聞いてもいい?」
一人で考え込んでも仕方がないので、近くにいた護衛っぽいピグリンに声を掛けた。護衛ピグリンはキリッとした動きで素早くこちらを振り向くと、なんでしょうか、と跪くのでなんだかやりづらい。
「わざわざ膝つかなくていいよ」
「しかし、王の前では……」
「俺、王じゃないと思うよ? おんりーって名前だし」
「しかし、私は覚えているのです。あの日、我らに金塊や金インゴットを下さったアイアンゴーレムの姿をしたおんりー王であることを」
「う〜ん……?」
俺は首を傾げて考えた。