第14章 戦闘騎士団
「ブィアッ?!」
目の前にいた三体のピグリンブルートがバタバタと急に倒れた。後ろから流れるように飛び出して来たピグリンブルートも、誰かに殴られて倒れて行く。
「大丈夫ですか……!」
現れたのは、ゴエイくんだった。
あとから壊れた壁からクロスたちが入って来て俺の応戦に加わる。なるほど、ピグリン兵全員が助けに来てくれたらしい。先程急に倒れた三体のピグリンブルートには矢が刺さっていた。俺はすかさず攻撃の手を動かし続けた。
そうして、その場にいたピグリンブルートらを一蹴し、援軍が来られないように入口をブロックで塞いだのち、ゴエイくんたちは残っている二体のピグリンブルートへ視線を向けた。
「こいつらはなんです?」
こちらに手を出して来ないからか放置していたのだろうが、事情の分からないゴエイくんたちはその二体を怪しむように睨みつけている。俺は説明をした。
「俺の味方をしてくれるみたい。えっと、名前は……」
「オレは見張り騎士団長のピグリンブルートっス、兄貴」
俺の言葉にピグリンブルートはそうは答えたが、そうか、名前がないのはピグリンだけではないらしい。わざわざ見張り騎士団長と呼ぶのは長くて面倒だ。
「なるほど、見張り騎士団長を味方にしたのですね」察しのいいゴエイくんはすぐに納得をした。「だから、我らが近付いても見張りは動かなかったのですね」
だから応戦に来ることが出来たのか。ということはつまり、今は見張りを無力化出来ているということだが、聞きたいことは山程あるので一つずつ整理してみることにした。
「えーっと、まず見張り騎士団長ってことなんだよね?」
「はい、そうっス」
「じゃあ、さっき俺のことを襲って来たのは?」
「あのピグリンブルートたちは、戦闘団っス。ドラゴンの洗脳がより強くて、城の攻撃部隊ってところっスね」
「戦闘団……」
俺は呟いた。どうやらこの城は、エンドラ討伐以上に面倒なシステムが構築されているみたいだ。