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俺、ピグリン王になったみたいです

第13章 新たな敵


 ブロックを置いてそこに飛び乗り、またブロックを置いて飛び乗る。体は軽かった。要領はパルクールの感覚で、そうやって玄武岩デルタを突き進んで行くと、後ろにいたゴエイくんたちはあっという間に見えなくなった。
 別に、複数人といるのが嫌だと思った訳じゃない。けど自分はあのサングラスの人と同じように気さくな性格とかじゃない。いきなり王と言われてよそよそしい態度を取られることに、ちょっとだけ慣れていなかっただけだ。
 と考えている内に俺は城の手前まで近付いていた。予想通り、単独行動をしたからか見張りは俺には気付いていないみたいだ。
 予め渡されていたブラックストーンのツルハシで目の前の城を少しだけ破壊すると、ガラガラと上の方も崩れ出し、これは面倒な壊れ方だと俺はため息を噛み殺した。
 しかしそのおかげで簡単に城に潜入出来た。城は三ブロック分の壁で出来ていたみたいなので、ネザー要塞みたいだなと思いながら足を踏み込む。あとはここを安全な場所にしてゴエイくんたちを呼ぶだけ、と思った時に物音がして俺は咄嗟に身を屈めた。
「見回り、何事もありませんでした」
 と話し声も聞こえてきた。よく見ると、壁の隙間から二体のピグリンブルートが会話しているみたいだった。
「ほんとか?」
「一度だけ、見たことのないモブは見えた気はしたのですが、我らに怯えて逃げたのかと」
「ふぅん?」
「あ、騎士長、どちらへ?」
「侵入者を片付けるだけよ」
「えっ」
 ドカーン!
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