第12章 ドラゴンの城へ
俺の言葉に珍しく反論したげなゴエイくん。安心させたくて俺はゴエイくんに笑ってみせてみせ、こう質問をした。
「ねぇ、マグマバケツはある?」
「マグマバケツ……ですか?」
きょとんとするゴエイくん。やっぱり、ピグリンはバケツを作ったりはしないようだ。
「鉄……インゴットとか、鉄塊とか持ってる?」
「ああ、それなら」とゴエイくんは懐からバラバラと鉄塊を何個も取り出して地面に置いた。「確か、鉄塊をクラフトしたら、鉄インゴットになりますよね」
「そうだね」
貰っていいかと承諾をもらってから、俺は鉄塊を鉄インゴットにした。便利なことに、この世界では作業台が必要ないようで、レシピさえ分かればアイテムを配置するだけでクラフトが完成する。
「よし、これで」
俺はバケツにマグマを掬いに行こうと走り出して、ゴエイくんに呼び止められた。
「あの、私たちはどうしたらよいですか?」
「うーん……」
俺はドラゴン城を振り見た。城の中に辿り着き、こっそりと潜入する場所を確保したらゴエイくんたちに合図を送りたいところだが、やり方を考えなくては。