第12章 ドラゴンの城へ
「あそこにブルートドラゴンがいるの?」
「そうです」
俺の質問にゴエイくんははっきりと答えた。ならば早く潜入してさっさと倒しちゃおうと進もうとした時にそれは現れた。
ゴォッ……!
「……っ?!」
間近で何かが風を切る音がし、俺は咄嗟の判断で飛び下りた。素早く上空へ視線を投げる。
そして俺は、上空で飛び回る何かを、否応がでも認識しなくてはいけなかった。
「エリトラ……?!」
「あれは私も初めて見ました……」俺の突然の動きに難なくついて来たゴエイくんが横に来て呟いた。「まさか、ピグリンブルートがドラゴンの部下になっているという噂が本当だったとは……」
とゴエイくんは空を飛び回るピグリンブルートを仰ぎ見る。
ピグリンブルートは背中にエリトラを装着して上空を飛び回っていた。ロケット花火も使いこなしているようで、飛んだ跡に白い光が散っている。
モブがエリトラ使ってるのなんて初めて見たんだけど?
しかもそれは一体だけではなく、数体いるらしく、エリトラを付けたピグリンブルートが何度か空を飛び回った後、城へと戻って行った。
「王様」
クロスたちが玄武岩に身を隠しながら俺たちの元に近付いてきた。クロスたちが余計な手出しをしなかったおかげで、追撃されることはなかったようだ。
「動きからして、あのピグリンブルートは見張りのような存在なのでしょう」とゴエイくんは言った。「我らがブロックを積めばたちまち見張りに気付かれてしまいます」
うーんと俺は兵たちを見ながら考えた。少数精鋭とはいえ、一緒に動けば目立つだろう。ならば単独行動の方がいいかもしれない。
「一旦一人で城に行ってみるよ」
「えっ、しかし……」