第11章 厳しい地形
それでもスケルトンの矢で多少怪我をしてしまった兵もいたので、険しい玄武岩デルタの麓で一旦休憩をし、俺はブロックを使って先を見て来ることにした。
あちこちにマグマの池が散りばめられ、歩きにくいところだなと思いながら、あのゲームみたいにジャンプしながら移動は出来るだろうかと軽いアスレチックにしてパルクールを試みる。体は思ったより軽やかでいとも簡単に出来たので、自分のことはゲーム内のプレイヤーと思ってもよさそうだ。
そうして高いところまで登り切ったところで改めて地形を見渡した。
聞いていた通りかなり奥まで玄武岩デルタバイオームだったが、どうも様子がおかしい。玄武岩やブラックストーンブロックが、奇妙に抉れたあとが何ヶ所もあるのだ。
そして、もう一つ……マグマキューブが見当たらない。
一度兵たちが休憩をしているところに戻り、見えた景色の報告をする。ゴエイくんは険しい道ですねと腕を組み、そこにクロスが話し掛けてきた。
「もしかして、ブルートドラゴンの体当たりの跡なのでは?」
と話すのも、俺が奇妙に抉られたブロックがあるのはなぜなのかとゴエイくんに聞いていたからだ。某ゲームでは自然生成の失敗とかと言えそうだが、マグマキューブが見当たらないのも不思議だったのだ。
「実は、玄武岩デルタバイオームは、天井にあったという話も聞きます」とゴエイくんがゆっくりと話し出す。「もしかするとマグマキューブは……」
ペタン!
「うわぁ?!」
よく聞き慣れた音のはずに俺は思わず悲鳴を上げながら剣を振った。たった今頭上から落ちてきたマグマキューブに剣が命中し、バラバラと小さく分裂した……。
「隊員、援護しろ!」
ゴエイくんが背後で叫び、休んでいた兵たちがたちまち動き出した。