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マネージャーの推しごと

第2章 練習!



「や、やま!山本くん!!聞いて!?黒尾先輩のジャージ!!これ!羨ましいだろ!???」
「いや、別に…」
先輩から借りたジャージを両腕で抱えて全速力で教室まで戻った。
男子のジャージってもっと袖のところとかボロボロじゃないの?なんで綺麗なの?ねぇなんでいい匂いするの?なんか持ったところすごく熱いけどこの布熱を発する機能あるの??

「え?着ていいのかな?バチあたらない??今日すべての運を使い果たした気がする!しぬかも!!!」
「着るために借りたんだろ」
「そ、そうだよね。せっかく貸してくれたのに着ないと失礼だよね?っっっは!!!名前のところ!!!黒尾って書いてある!!!!つまりこれを着た私は黒尾!!!???結婚した!??苗字一緒になっちゃった!ー???!?!?」
「さっさと着替えろ。」
「ポケットなんか入ってないかな!近日のコンビニのレシートとか!住所特定できるやつ!!!…なんも入ってねぇ!!!」
温度差が700度くらいある私と山本くんがコントをしてると予冷がなった。
「先行ってるなー」私とのやりとりが面倒になった山本くんはさっさと体育館に向かって行ってしまった。
せっかくジャージを借りたのに授業に遅れるわけにはいかない。
どきどきしながらゆっくりとジャージの袖に腕を通す。あぁ本当に着ちゃったよ先輩のジャージ。
ぽわぽわしたままの頭で体育館へ向かった。

そういえば借りられたことで頭がいっぱいだったけど、約束してないのに私の事を待っていてくれたのだ。しかも男の子のお願いを断って…。
朝練でジャージ忘れたと言ったことを覚えていてくれて、放送を聞いて私が来るのを遅いな、俺の嫁まだかな、心配だなってそわそわしてたって事だよね!?自惚れていいかな!??

「山本くん見て!彼Tならぬ彼ジャージ。今日から黒尾です。よろしくね。あとね、ココ、ちょびっとほつれてる…。愛おしい…。そうだ写真撮ってよ。既成事実を作ろう。ちゃんと名前見えるように撮って!はぁ…おいしい。とってもおいしい。」
体育館で目立つモヒカンと合流して、「食べたのか?」とか言いながらちゃんと携帯で撮影をしてくれた。
「やば、先生来ちゃった。」後で送っておいて!と言って女子の列に戻る。

今日はクラス対抗のドッジボールらしい。汗かかないように外野でやり過ごそう。そう決めて体育委員の号令で授業が始まった。
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