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マネージャーの推しごと

第2章 練習!




バケツをひっくり返して水ですすぐ。何度か蹴り返して綺麗になったがぞうきんはダメそうだ。今日の買い出しで新しいの買おう。手洗いとうがいを済ませて倉庫に戻る。
私のいない間に支柱やボールカゴ、得点板などが倉庫に戻されていて先程より狭い倉庫の換気窓を閉める。

体育館ではストレッチを終えた部員達がおつかれしたー!と言って次々と部室に走っていく。
「俺が先だー!」とか「先輩にゆずれー!」とか聞こえるのでおそらくスコーン争奪戦が繰り広げられているのだろう。
次から個包装にしよう。うん。

制服に着替えて校舎に向かう途中で夜久先輩に呼び止められた。
「俺感動したよー!俺が1年の時から倉庫あんな感じだったからさ、あれが普通になっちゃってて。」
どうやら整理整頓された倉庫がお気に召したらしい。
「ほんと使いやすかった!サンキューな!」
終始笑顔の先輩はブンブンと手を振って3年の教室へ向かっていった。
先輩を見送って私も自分の教室へと歩き出す。これから授業かぁ…。もうすでに1日分の体力を使ってしまって授業がかなり億劫だ。

いつもより長く感じる授業、子守唄のような先生の声。朝ごはんがが早かったせいかお腹も空いてきてテンションは下がる一方だ。

先輩!黒尾先輩!黒尾先輩が足りない!!
今日の朝練も掃除に集中しすぎて先輩をあまり見てない。不覚ッ!
授業中だけどチラッと携帯を見る。昨日盗撮した先輩の真顔写真を見る。イイ。イイけどいろんなパターンの写真欲しいな。山本くんとか写真持ってないかな。休み時間になったら聞いてみよう。
なんなら先輩盗撮しに行こう。よし。乗り切れる気がしてきた。
残りわずかになった世界史の授業を気合を入れ直して聞く事にした。



なんとか4限を終えて、お弁当の時間になった。
「山本くん!バレー部の写真とかない!?できれば黒尾先輩が写ってるやつ。むしろ黒尾先輩写ってないやつはいらない。」
山本くんの机に勝手にお弁当を広げて前の席の椅子を拝借し、後ろに向けて陣取る。

「んー」
だいぶ失礼な事を言った気がするが山本くんは気にする様子もなくお弁当をつつく手を止めて写真ホルダーを探してくれる。
なんてイイやつなんだ。先輩の秘蔵写真を期待しつつ私もお弁当を食べはじめた。
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