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マネージャーの推しごと

第2章 練習!



「よーし..片付けの続きすんぞー。」
「先輩ったら、照れちゃってカワイイ〜」
「ハイハイソーデスネ。」

またもやガンスルーする先輩、さすがです。尊い。カタコトもすてき。

「あ、黒尾先輩!ネットの外し方教えてください。
うふふ、ネットの外し方を教えてもらうと称して先輩と2人きりになってあわよくば先輩にあんなことやこんな事を教えてもらったりしちゃおう作成!私ってば天才。」
「全部声に出てまーす。せめて心の中で言ってくださいー。」
はぁ、とため息をひとつついて先輩がネットに向かって歩き出す。なんだかんだ言って教えてくれるようだ。私の推し性格までイケメンすぎる。
「まずはこのカバー取って」
「はーい。」
先輩が上の、私が下側のマジックテープをべりべり剥がして支柱のカバーを取っていく。軽そうに見えたけど意外と重い。
「そしたら、紐解いてここにクランク刺すところがあるからこれを回してネットを緩める。
あ、明日も朝練あるから、全部取らなくていいぞ。」
「え、朝練あるんですか…??」
「朝練あります。」
青ざめる私を先輩がニヤニヤしながら覗き込んでくる。あ、イイ。身長差イイ。
「なーになまえチャン朝弱いの〜?」
「いや、弱くはないんですけど…あ、嘘です。弱いんでモーニングコールしてください。え、ねぇ今名前呼んだ??なまえちゃんって呼んだ??ろろろ、録音!!録音しなきゃ!」
「山本ー苗字ちゃんが明日モーニングコールしてほしいってー。」
「1人で起きれますよ!!」
先輩からクランクを受け取って支柱に差し込む。
「朝は洗濯したりお弁当作ったりでいつも時間ギリギリなんですよー。かってぇなコレ!?」
右にも左にも全く回らない、なんつう硬さだ。両手で全体重をかけるがびくともしない、硬さにも驚いたが自分の非力さにもびっくり。
んー!と唸ってると後ろから急に手が伸びてきて私の右手を包む。くっと力が入っていとも簡単にネットがゆるまっていく。
真後ろに先輩、覆い被さるように添えられた右手。私の手なのに、私のものじゃないみたい。
「支柱外すときは危ないから1人で持っちゃダメ。わかった?」
耳元で先輩のこえ。
「わ、かり ました。」
「よし」
動けない。離れた右手がじわじわと熱くて先輩はもう歩き出したのに私はしばらく固まったまま誰にも見せられない顔になっていた。
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