• テキストサイズ

紫の薔薇を貴方へ

第14章 その日


「……ということで次の企画は進んでいるから、告知動画が出るまでは誰にも言わないで下さいよ?」
 ある日のリモート会議中。ドズル社メンバー全員で、次の秘密裏に行われている企画の話がされたあとのことだった。
「大丈夫大丈夫。誰にも言わないって」
 と俺が軽く請け合えば、大丈夫ですか、ぼんさんと、おんりーちゃんから厳しいお言葉を頂く。
「厳しいなぁ」
 なんて俺が流すと、おらふくんはゲラゲラと笑って。MENにいたってはいつものことじゃないですかと返される。まるで俺がいつも秘密を漏らしているみたいじゃないか、と言うと笑いの絶えない会話が広がり、やはりこのメンバーとプライベートで話すのも楽しいと心から思っていた。
 その時、ピンポーンと音が鳴った。
「あ、ごめん、俺だわ」
 と俺が椅子から立ち上がると、もう会議も終わったし切りますよ、とドズルさんが言った直後だった。
 玄関の方でバタバタという音。大丈夫ですか、と聞かれるメンバーからの言葉は先程とは打って変わった。大丈夫じゃないかも、と俺が咄嗟に答えれば、まだそこから出ないで下さい! と透くんからの声が飛んで動きを止める。
/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp