【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第6章 回帰の術式※
間違いなく、この呪術師が持っている、相伝の術式だ。
仁美はこの術式のせいで、20回回帰している事。
術式を解いて欲しい事をガイドに伝えてもらった。
彼はきっと訳もわからず、ただ伝えているのだろう。
それでもちゃんと伝わった様だ。
呪術師は驚いた様な顔で、仁美を見上げた。
「?」
仁美はその顔の理由も分からず、困惑した表情を見せた。
呪術師の説明によると、普通回帰は2、3回でその術式効果は消えるという。
「え?」
仁美の戸惑いの表情の後ろで、悟もまた、目隠しの奥の目が歪んだ。
説明によると、術式は回帰したからと言って、効力が元に戻るモノでは無い。
確かに、20回の回帰でも、生き返る場所は、術師に術式をかけられた一日後だ。
仁美は20年で、一回しか術式を受けていない。
仁美の様に、20回も回帰した人は初めてだと言う。
そして、二、三年で、効力を失う術式に、わざわざ解く術式は無いと言う事だ。
つまり、仁美は術式を解きたかったら、真実の愛を見つけると言う、振り出しに戻っただけだ。
呆然と立ち尽くす仁美に、呪術師は言った。
真実の愛の相手はすぐに分かると。
その言葉に仁美は顔を上げた。
その相手に触れれば、術式の模様が反応するはずだと。
仁美は、足元が崩れる様に、フラッと体が揺らいだ。
その肩を掴んだのは悟だった。
悟が自分に触れている手に、仁美はゆっくりと顔を上げて悟を見た。
術式は何の反応もしない。
仁美の目がぎゅっと歪んだ。
ああ、やっぱり。
悟は違ったのだ。
過去にも一度も、悟に反応した事が無かった。