【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第6章 回帰の術式※
そんな分かりきった答えにすら、何度も絶望する。
事実の愛じゃ無いのなら、こんな感情無くなればいいのに。
もう悟を見て、愛されていない事実を突きつけられるのは苦しかった。
仁美の肩に触れた自分の手を見て、悟もまた目を伏せた。
仁美の顔を見れば分かる。
自分は真実の相手では無いと、言っている。
悟は仁美の肩を掴んでいる手に力を入れた。
突き刺される様に、痛くなる心臓がその事実を拒否している。
(……何故……。)
仁美はそんな顔をして、自分を見上げているのだろう。
まるでその事実に、仁美も傷付いている様に。
まるで、悟がその相手だと願っている様に、そんな縋る目だ。
(…僕を求めている様に思えるじゃないか。)
そんな無意味な期待を持たせないでくれ。
仁美は悟から目を離すと、ゆっくりと呪術師に目を向けた。
「…もし、回帰の途中で死んだらどうなるの?」
「!?」
仁美の質問に、悟の手が痛いほど食い込んだ。
呪術師は、ガイドから通訳を受けると、目を瞑った。
『回帰の途中で死んだら、それだけだ。ただ死を迎える。』
呪術師の言葉に仁美は顔を歪めた。
本当にくだらない呪いをかけられた。
回帰を免れる方法は、真実の愛か、死だ。
仁美はフッと笑った。
何も躊躇する事もないじゃ無いか。
初めから今世の終わりは、その選択だと決めていたでは無いか。
永遠に繰り返される回帰におさらばするのだ。
何も後悔する事は無い。
悟は仁美の質問の意味が、彼女の望む答えだと思うと、顔を歪ませた。