【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第6章 回帰の術式※
「僕がこんなに誰かを愛する事が出来たなんて、今でも信じられない。」
悟はベットの中で、腕の中にいる仁美に向かって囁いた。
彼の唇が額に触れ、瞼に触れて、唇に触れる。
愛おしそうに、仁美に触れるその唇を疑う事も無く、仁美はその悟の行為を受け入れる。
どの回帰でも悟が囁くその言葉を、仁美はただ心地の良い気持ちで聞いていた。
「…私も、こんなに誰かを好きになったのは初めて…。」
仁美は撫でるように髪を滑らせる悟の手を握って、仁美は言った。
今世では回帰は起こらないだろう。
仁美は毎回悟の気持ちを受け取りながら、そう思っていた。
毎日見る顔なのに、日に日に愛おしさが増していく感覚。
触れてもまだ足りなくて、眠りに付くまでキスを繰り返す毎日。
初めて会った時のあの衝動。
身体中の血が逆流した様に、熱く流れる。
この相手が、真実の相手で無いのなら、誰がそうなのだろう。
繰り返す回帰の結末を考えると、仁美はぎゅっと目を瞑った。
今世では…今世では…。
毎回繰り返されるその祈り。
毎回回帰を繰り返されても、何度も恋に落ちるその衝動。
お願いだから教えて欲しい。
彼は。
私は。
何を間違って回帰を繰り返すのだろう。
その腕の中で、幸せな気持ちで眠りに付く。
眠る度に始まる回帰までのカウントダウン。
目が覚めれば、ただ一刻、一刻と回帰が待っている未来。
…もう心が折れそうだ…。