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【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第6章 回帰の術式※


悟は仁美の部屋の隣を取っていた。

彼女の部屋から物音が聞こえなくなったのを聞いて、悟はやっとソファに深く腰を下ろした。

背もたれに沿うように頭を後ろに下ろすと、大きくため息を吐いて、目隠しを取る。

今日ずっと聞いていた仁美の話を思い出す。

一年後の死、20回の回帰。

そして、かつて自分も彼女の恋人だったと言う事実。

こんな所まで術師を探しに来るのだから、仁美の話は真実なのだろう。

悟はふっと笑った。

彼女が自分が恋人の時に、回帰をしたのであれば、その理由は十分に分かっていたからだ。

「…僕が誰かを愛せるはずなんてない…。」

仁美がその時回帰した理由は間違いなく自分が原因だろう。

そして、それを仁美はよく分かっているから、今世ではこんなにも悟を拒否しているのだろう。

いくら目の前に、自分の好みの女が現れても、あんな話を聞いてしまったら、もう仁美に関わるのは辞めようと思った。

彼女は真剣に生きる事を望んでいる。

それが自分のせいで無駄になるのなら、そんな事仁美に出来ない。

悟は手で顔を隠すように置いた。

あの目がどんなに魅力的でも、触れた唇がどんなに気持ち良く、官能的な彼女の姿に、全身が震えるほど求めても。

仁美を自分の欲望で、この手に触れてはいけなかった。

悟はふと考えた。

過去の自分はそんな事も分からないで、仁美を腕の中に収めていたのだろうか。

愛する事を出来ないと分かっていて、どうしてそんな残酷な事を仁美にしたのだろう。

悟はソファの肘掛けを、人差し指でトントンと叩いた。
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