【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第6章 回帰の術式※
社交辞令が苦手な悟は、交わせるスキルも無いので、すぐに女性に囲まれる。
仁美はそんな悟を助ける様に、いつも彼の代わりに、他の女性を近付けない様に、気を張っていた。
仁美がそうすると、悟は安心した様に、嬉しそうに微笑んでいた。
仁美はその話を悟にすると、一息付いて、その時の気持ちを思い返した。
悟を思い返すその行為は、仁美の気持ちを温かくした。
仁美の話を聞いて、悟はふっと笑った。
「…何だ…そう言う事か…。」
「?」
1人で納得した様に呟く悟に、仁美はさほど気には止めなかった。
悟との思い出を語るなら、沢山のエピソードが出てしまう。
何せ、20年分だ。
仁美はボロが出ない様に、それ以上の事は言わなかった。
その後は、悟の質問には、当たり障りの無い返しをした。
それだけでも乗換を含めた長い旅路は、あっという間に時間が過ぎた。
移動時間の21時間、仁美は今世で悟とこんなに長く時間を過ごしたのは初めてだ。
少しだけ。
ほんの少しだけ、昔の気持ちが胸を掠めたが、今世ではソレは不要な感情だ。
仁美はそう気持ちを切り替えて、まずは時差を調整する為に、ホテルに直行した。
当たり前の様に、悟が用意したホテルも同じホテルだ。
彼は今世で、仁美に何を求めているのだろう。
前世の様に愛を求めている様には感じない。
まるで、仁美の軌跡を一緒に確認する様に、仁美の横にいる。
ソレはやっぱり、最初に傑の残穢を纏って、悟に会った事が1番の要因なのだろう。
仁美はここまで悟を変えるほどの傑の存在を、もっと簡単に考えていたのかもしれない。