【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第6章 回帰の術式※
「20回も回帰してて、初めてソコに行く訳?」
鋭い突っ込みだ。
「事実の愛が術式を解くそうです。
20回はソレだけを求めていました。」
「……へぇ……。」
途端に胡散臭さを顔に出している。
回帰前にその話をした時は、20年間ずっと自分だと言ってたくせに。
やっぱり、今世の悟は、前世の彼と少し違う。
「…もしかして、僕が相手だった時もあったの?」
悟は笑って、仁美に聞いた。
絶対、本気にしてないだろう態度に、仁美は少しイラッとした。
「そうですね…そんな時も一瞬ありました。」
本当は20回だけど。
「僕は君を回帰させたんだ…。」
「そうですね…。」
20回は。
「その話は、僕にはしたの?」
「しましたね…。」
20回ほど。
「…何か、言葉を含んでる言い方だね…。」
うん、さっきから20回と言うワードが頭の中でリピートしてる。
「…ふーん…20回も回帰して、やっと傑と七海なんだ…。」
まぁ鋭い突っ込みだ。
しょうがないだろう、20年間愛したのは、目の前の男なのだから。
(そんな事、悟には言えないけど…。)
仁美は流し目で悟を見た。
目隠ししてるのに、いつでも愛してきた男がソコに居る。
やはり、悟に20回の回帰を話す時が、1番胸が痛む。
仁美の話を聞いて、信じる信じないは別として、仁美に感じていた違和感は納得出来た。
仁美が何故、悟が求める行動を取れるのか、納得出来る。
キスの仕方も、悟の性癖すら、彼女は完璧に分かっていた。
「…僕達は、どんな風に付き合っていた?」
悟の質問に、仁美はギュッと目を顰めた。
20年間、彼が恋人であった事は、本当に幸せな時間だった。