【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第6章 回帰の術式※
「どうだった仁美、私より七海の方が愛せそうか?」
傑の言葉に、彼の髪を撫でていた手が止まった。
スッと傑が顔を起こして、仁美を覗き込んだ。
「……いいえ…。」
仁美は少し寂しそうに言った。
とても素敵な夜を過ごせた。
ソレは否定できないけど、2人とも相手が真実の愛になるとは思えなかった。
だから七海は、術式の話をしてくれたのだろう。
自分と一緒に居ても、回帰が起きてしまう事を恐れて。
もっと時間があれば違ったのかもしれない。
だけれども、後11ヶ月で、真実の愛を掴める自信なんて無かった。
そんな風に疑わず愛せたのは、悟だけだ。
そして、ソレは傑も同じで、真実の愛にはならないと分かっている様だ。
仁美はギュッと目を顰めて、傑にキスをした。
舌が絡まり、傑の手が肌を撫でる様に触る。
何回の回帰の中で、悟以外にここまで心を傾けた相手は傑1人だ。
もし他に真実の相手が見つからなくても、百鬼夜行まで、傑の側に居るのは仁美だ。
その時には、少し見せた悟の執着心も、打ち砕かれるだろう。
傑と一緒に、悟に殺されるのもいい。
「?!」
仁美は急に浮かんだ自分の言葉に、閃いた様に目を開けた。
「?どうしたの?」
急に情事から気が逸れた仁美に、困惑して傑は聞いた。
(…そうだ、今世は上手くいかなかったら、傑と死のう。)
ああ、この素晴らしい閃きを傑にすぐに話したい。
だけれども、百鬼夜行の結末を、傑に話す訳にはいかない。
「ああ、傑…。」
仁美は嬉しそうに傑の首に腕を巻き付けた。
「私、凄くいい事考え付いた。」
そう言ってニッコリ笑う仁美は、目を奪われるほどに綺麗だった。