【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
回帰をしてからは、自分の愛が足りなかったのか、悟をもっと愛されなければ足りないのか、ずっと悟だけを見て来た。
仁美がどんな風に笑えば、悟も笑顔になるのか。
キスのタイミング、目を伏せるタイミング、『愛している』と囁くタイミング。
全て体に染み込んでいる。
いつもそれに応えて、愛を囁いた悟が、運命の相手では無い。
やっと気がつくのに、15回回帰した。
胸を締め付けられる思いで、悟から離れたのに、悟は仁美を離さなかった。
何度も何度も腕の中で死んでいく仁美を見て、悟の最後の表情はどんな顔だったか。
いつも目を瞑っていたので、見た事は無い。
「うん、じゃあ悟以外の運命の相手を探そう。
悟はしつこいけど、飽きっぽくもあるから大丈夫だよ。」
傑は笑って仁美に言った。
「協力してくれるの?」
仁美はパァッと笑顔になって、傑の顔を見た。
「その代わり、10ヶ月後の百鬼夜行、仁美はこちら側で参加してもらう。」
グッと傑の手が、仁美の肩を掴んだ。
仁美はフッと笑って傑を見た。
傑から百鬼夜行の事を話してくれるのは、有り難かった。
仁美の話を信じている証拠だし、初めからそのつもりだった。
最初から最後まで悟を遠ざけるのに、最後を飾るのは百鬼夜行ほど打って付けのモノは無かった。
「…勿論…。」
仁美の答えに、傑は目を細めて笑った。
「…それじゃあ…。」
傑はそう言うと、グッと仁美の顔を掴むと、ゆっくりと顔を近付けた。
傑の唇が触れた。
ソレは20年ぶりの、悟以外のキスだった。