【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
「悟が口だけで、本当に君を愛していなかった。」
傑は十分にあり得ると言った顔で、指を一本折った。
「もしくは、呪詛師の死によって、術式が縛りになり、回帰を回避出来なくなったか。」
最後の指を折ると、傑は少しトーンを下げて言った。
傑の言葉に、仁美の顔が青くなる。
その可能性は、仁美も考えていた事で、顔を俯かせた。
「…だけど、その呪詛師がかけた術式は、解除方法を示している。
つまり、ソレを縛りとしてより術式を強化している。」
出来そうで、出来ない解除方法。
真実の愛なんて、誰の基準なのだろうか。
悟が相手で無くても、達成できなさそうだ。
そんな呪いの様な術式の為に、もう20回も苦痛に苦しみながら死んでいる。
「私の見解では、縛りは術式を施した時に完成している。
君には回帰を回避する方法はちゃんと残っている。」
傑の言葉に、仁美は安堵した。
それならば、やはり悟がその相手では無いと言う事だ。
「…ああ、もう一つ回帰を繰り返す理由があった。」
傑はスッと立って、仁美の横にくると、仁美の顔を覗き込んだ。
「仁美が悟を愛していなかった。」
傑の言葉に、仁美は顔を上げた。
仁美の心情を汲み取る様に、傑の目が、仁美を捉えている。
「……愛していた…。」
仁美はギュッと唇を結んで、漏れる声で言った。
同じ術師でも、いつも遠巻きに見ていただけだった。
ソレが目の前に現れて、自分に笑顔を向けて、六眼に自分が映るまで見つめる悟を、愛さない訳が無かった。
仁美だってあの瞬間、一目で悟に恋に落ちた。