【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第5章 新たな出会い※
「…私を愛して下さい。」
ベットの上で言ったその言葉は、『抱いて欲しい』=『愛して欲しい』と聞こえた。
愛が欲しいとは、意外にも陳腐な言葉なんだと、そう思えて仁美はフッと笑った。
さて、目の前の七海には、どう聞こえたのだろう。
しばらく七海は、仁美を見下ろしていた。
「…もう少し具体的に…。」
流石七海だ。
雰囲気には流されないらしい。
仁美は手を伸ばして、七海のシャツをギュッと握った。
「…『真実の愛』が術式を解きます…。」
何度説明しても慣れない言葉だ。
七海じゃなくても、疑うのは分かる。
不可解な言葉に、眉を顰める七海の顔を見て、仁美は目をギュッと細めた。
「…私にもコレが正しいのか分かりません…。」
仁美は七海のボタンを、一つ一つ取っていく。
それでも、可能性があるなら、試してみたい。
七海が自分を愛するのか。
「『真実の愛』も何の事か分からないです。」
全部のボタンを取ると、仁美はスルッと七海のシャツを脱がせた。
「だけど、私が愛せそうな人は、七海さん以外に思いつきませんでした。」
パサッとシャツがベットの下に落ちて、鍛えられている彼の肉体が目の前に現れる。
とても刺激的なその光景に、仁美は思わず手を出した。
七海の胸板に仁美の手が触れて、そこでやっと七海は仁美の手を止めた。
「…何故、私なんですか?」
七海の質問が、今日の最初の言葉に戻った。
ずっと彼が気になっていた事なのだろう。
彼を愛せると思ったのは、本当にくだらない理由だった。
初めて一緒に仕事で同行した時に、呪霊を祓った後に、彼が仁美に言った。