【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第5章 新たな出会い※
仁美はスッと、テーブルに置かれている七海の手を握った。
流石にその行動には、七海の眉が動いた。
「術式の解除の方法があるとしたら…七海さんは協力してくれますか?」
仁美は七海が手を振り払う前に、懇願した。
そう言った仁美の顔は、ふざけてはいない様だ。
だけれども、そのお願いが健全なモノでは無く、性的なモノが含まれているのも分かった。
「…………………。」
(全く、七海さんの感情が分からない。)
仁美を値踏みしている様にも、誘いにのるのか、考えている様にも思える。
正直、七海に断られたら、仁美が好きになる人なんて、思い浮かばない。
仁美は祈る様に、目を伏せた。
「…いいですよ…。」
七海の低い声が聞こえて、仁美はパッと顔を上げた。
「何をすれば良いのですか?」
相変わらず、感情の読めない七海の顔を見て、仁美は目を顰めた。
分かってて聞いているのか、惚けているのか。
七海の事だ、ある程度分かっていて、『何処まで』して欲しいのかを聞いているのだろう。
「…ここでは…。」
仁美は目を逸らして、チラッと会計を見た。
七海はその目線に気が付き、スッと立ち上がった。
一瞬、このまま七海が帰ってしまうのでは無いかと、仁美も慌てて立ち上がった。
七海は会計を済ますと、仁美を振り返って見下ろした。
「もちろん、部屋は取ってあるんですよね。」
当たり前の様に聞く七海に、仁美の顔がカァっと赤くなった。
バレてもいいけど、初めからこれ目当てだと言われたら、少し胸が痛くなった。
彼と恋愛をしたいという気持ちも本当なのに。