【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第5章 新たな出会い※
何とか憂太を高専に引き渡して、被害者の男子生徒達を病院に連れて行く事が出来た。
さっきから、後ろで無言で見てくる七海の視線が怖い。
これから七海を口説くどころでは無い。
仁美はさっさと七海から姿を消したかった。
「…これから一杯付き合いませんか?」
嬉しいはずのお誘いに、仁美は苦笑いをする。
七海が聞きたい事の説明をしなければいけないからだ。
もうこうなったら、開き直ろう。
どうせ今世で七海に何と思われても、回帰してしまえば、また一からやり直しなのだから。
だったら思う存分、やり切ってやろうでは無いか。
「…夕飯を付き合って貰えませんか?」
仁美は七海を見上げて言った。
すぐに七海の返事を聞かずに、タクシーを拾う。
伊知地だと、悟に場所を告げ口されかね無い。
七海が乗ると、仁美は自分が取っているホテルの名前を言った。
「…そこの鉄板料理が、日本酒ととても合うんです。」
仁美は含みのある流し目で、七海を見て言った。
時間が無いのだ、駆け引きなどに割く時間は無い。
あからさまな仁美の誘いに、七海の表情は変わっていない様に見える。
(…やり辛い…。)
仁美はパッと七海から目を離した。
断ってこない所を見ると、様子見という事だろうか。
掛けられた術式の事を話しても、どうせ信じないだろう。
真実の愛なんて、頭のおかしい女だと思われるだろうか。
それでも別に良かった。
(私は今世では、不純でイカれた女だ。)
仁美は口元でフッと笑った。
それもまた望む所だ。