【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
困惑した傑の感情が、そのまま声に出た様だった。
「…何の為に…?」
「五条悟が、私を愛さない為に。」
仁美の言葉に、傑は目を細めて、顔を俯かせた。
明らかに、仁美に会った事を後悔している。
「…お嬢さん、確かに貴方は悟の好みのタイプだけど、話が飛躍し過ぎだ。」
呆れた様に傑は仁美に言った。
無茶苦茶な事を言っているのに、意外に冷静に話を聞いてくれている様だ。
仁美はスッと腕をまくって、手首にある術式の模様を傑に見せた。
傑はその模様を見て、真面目な顔になり、目を細めた。
「信じないかもしれないけど、私はこの術式のせいで、23歳を20回も繰り返してる。」
そう仁美が話すと、先ほどの様に、傑に呆れた顔は見えなかった。
(夏油傑は、この術式を知ってる?)
傑の表情に、仁美はそう思った。
「…お嬢さん、悟よりその呪詛師を追った方が話は早い。」
傑の言葉に、仁美の疑問は解消された。
やはり傑はこの術式を知っている。
「…無理なのよ、もう死んでいるから…。」
仁美に術式をかけた呪詛師を追った過去もあった。
だけれども、どの過去でも、その呪詛師は殺される。
悟と出会うこの1ヶ月の間に、悟の手によって。
呪詛師の死も、また避けられない現象だった。
仁美はゆっくりと、自分が回帰した20回の過去について話した。
「……なるほどね。」
仁美の話を聞いて、傑は手を口元に置いて、考える姿勢をする。
「君が回帰を繰り返す考えられる理由は2つ。」
傑は指を2本立てて、仁美に見せた。