【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第5章 新たな出会い※
(え?伊知地さんのその説明…。)
この一年を繰り返している内に、何度も聞いた内容だ。
この学校の中に、乙骨憂太と、折本里香が居る?
まだ全貌が現れても居ないのに、学校を覆っている呪力は、間違いなく、特級過呪怨霊折本里香のモノだ。
仁美は回帰前に、乙骨憂太にそれほど面識は無かった。
悟が随分と憂太を手に掛けていたのは知っていた。
こんな風に直接関わる様な出来事は無かったはずだ。
本当に今世では、初めての事尽くしで、仁美の想像の斜め上をいく。
仁美は隠している口元の口角が上がった。
「…乙骨憂太の鎮静と、被害者の救出ですね。」
七海は仁美の言葉に、ピクッとした。
随分と、憂太の気持ちは荒ぶれている様だ。
折本里香を抑えきれていない、呪力が不安定に揺らいでいる。
記憶の中の憂太は、とても大人しい子だった。
この案件は簡単に終わると、校舎を見上げた時にはそう思っていた。
しかし、実際に校舎に入り、テリトリーに入って来た異物への、折本里香の警戒を受けた時に、倒れそうになった。
こんな呪力を感じた事が無かった。
呪力に免疫の無い、非術師がこんな場所にいたら、それだけで命を落としてしまいそうだ。
早く、救出しないといけない、折本里香の逆鱗に触れない様に。
彼女の逆鱗は、乙骨憂太だ。
彼の気持ちが沈静化出来れば、この状況も変わるだろう。
仁美と七海は、急ぎたい気持ちを抑えて、折本里香を刺激しない様に、慎重に憂太の元に向かった。
憂太の居るクラスのドアに手をかざした時に、折本里香の威嚇の様な呪力が仁美を襲った。
この場から逃げ出したい気持ちを抑えて、仁美はドアを開ける。