【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第4章 五条悟とは〜回想〜※
「…悟。」
仁美が悟に気がつくと、その表情はパッと明るくなる。
いつもの仁美の笑顔を受けて、悟は口角を上げる。
「中で待ってれば良かったのに。」
悟はいつも通り、愛しい彼女を見るような笑顔で仁美に言った。
その悟の変貌に、目を伏せた冥冥には目もくれない。
悟は冥冥と憂憂がいるのにも構わずに、仁美の顔を愛おしそうに撫でる。
「……お邪魔な様だ…これで失礼しよう。」
悟の脇を通り過ぎようとする冥冥に、悟は一瞬目を向けた。
目が合った冥冥は、悟らせる様な目を、悟に向けている。
その冥冥の視線の意味を分かっていて、敢えて悟は冥冥から目を逸らした。
仁美は一瞬の2人の動向に気が付いていなかった。
「…憂憂はそんなに可愛い?」
悟は先ほどの仁美の行動に、顔を傾けて、仁美に不思議そうに聞く。
サングラスから覗く悟の目は、いつもの様に、愛しみをもって仁美を覗いている。
仁美はその悟の表情に、安心した様に、顔を緩める。
「可愛いよ、小生意気な所も。」
憂憂に触れた事に、悟がやきもちを焼いたのだろう。
仁美はそんな気持ちで、悟が落ち着く様に、彼の頬を撫でた。
仁美は悟が見せた負の感情を何も知らない。
今日は、正解な仁美のその行動が、癇に障った。
それでも悟はその理由を仁美に伝える事は無い。
悟は仁美の手を掴むと、自分の唇を手の甲に押し付ける。
「ソレでも、あまり他の男に触っちゃダメだよ。」
悟は諭す様に、仁美に言った。
仁美は可愛い悟のやきもちだと、笑顔を見せて、分かったと返事をする。