【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第4章 五条悟とは〜回想〜※
その言葉を、悟がどんな気持ちで言ったのか、仁美は気付く事ができなかった。
悟はそんな仁美を、フッと笑って見た。
その悟の顔が、仁美の行動を許した様に見えた。
仁美はやっぱり、悟に秘密を打ち明けるつもりは無さそうだ。
それに対しての乾いた笑みは、仁美には届かない。
何処までも仁美は、自分に優しく、穏やかな悟を望んでいる様だ。
悟がそう言う態度をすると、仁美は安心した様に、その体を悟に任せる。
だから悟はこの負の感情を仁美に悟られ無い様にする。
大丈夫。
こうして、仁美が悟の愛情を試している内は、全力でその悟を演じるだろう。
だけどもし、仁美が悟から離れると言うのであれば、彼女にどんな態度をして、どん風に縛り付けるのか、簡単に想像が出来た。
それが全く想像出来ない、今の仁美が愛しくてしょうがない。
仁美が腕の中で、悟が望む様な愛を示してくれるのなら、悟はその感情を仁美にぶつける事は無い。
「っ悟…。」
仁美は戸惑った表情で悟に言った。
こんな公衆の面前で、仁美を抱きしめたからだ。
仁美は戸惑いながらも、悟の背中に手を伸ばした。
それでいい。
いつも悟の思う通りの行動をする仁美でいて欲しい。
そうすれば、悟のこの感情を仁美にぶつける事は無い。
五条悟とは、そう言う男だった。