【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
(貴方がずっと手を出せなかった夏油傑を、今度は利用する。)
ソレが間違い無く悟の逆鱗と知って。
今世で悟に愛されない為に、仁美は両手を握って、ぎゅっと掴んだ。
傑の居場所はすぐに分かったが、彼は中々仁美と会う事をしなかった。
現役の呪術師が、傑と2人で会いたいと言う要望だ。
現実にするのは難しかった。
悟との、出会いの日が迫って来て、仁美は焦っていた。
やっと傑が会ってくれると連絡が来たのは、悟との出会いの1日前だった。
諦めかけていた時だったので、その伝えの者が来た時は驚いた。
ソレでも、新たに手に入れたチャンスに胸が躍ったのは、間違い無い。
20回の回帰で体験した事の無い行動に、胸が躍った。
指定された場所は、人里離れた古民家だった。
非術師が嫌いな傑には、うってつけの場所なのだろう。
仁美がお願いした通り、傑は1人でそこに待っていた。
民家の門を開けると、傑が立って仁美を待っていた。
「…いらっしゃい。」
傑は仁美を見下ろすと、感情が読めない笑顔を向けていた。
こうして2人で話すのは、過去一度も無かった。
こんな風に穏やかに話する人なんだと、仁美は漠然と思った。
家の中に入ると、目視でも他の人間は居なそうだ。
案内された部屋で、仁美は傑の目の前に座った。
「…で?私に話とは?」
警戒はしているのだろう。
隙が全く無い傑に、生唾を飲んだ。
「…明日、五条悟が私の前に現れる。」
突然の悟の名前に、傑の眉がピクッと動いた。
「悟が現れるその前に、貴方の残穢を私に刻み込みたい。」
「…は?」