【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第3章 五条悟とは※
「僕のこの渇きが仁美で満たせないとしたら、誰が満たせるんだ。」
欲しくて、欲しくてたまらない仁美は、悟に決して靡かない。
言いよる資格さえも与えて貰えない。
どうしたら、仁美が自分のモノになるのか。
手に入れないと思うと、頭がおかしくなりそうだ。
「…五条さんは、私が逃げるから追いかけてるだけです。」
そうだな、そうかもしれない。
仁美は何も言わなくなった悟を、チラッと見た。
自分では判断の付かない感情に振り回される位ならいっそ、その体を直接貰おうか。
仁美を見下ろす悟の顔に、仁美はゾクッと背筋が凍った。
「…今はまだ大目に見るけど、これ以上僕の忍耐力に期待しない方がいい。」
悟はそう言うと、グッと肩を抑えて、仁美の額にキスをした。
瞼に触れ、頬に悟の唇が触れている間、仁美は金縛りにあったかの様に動けなかった。
触れる唇は優しいのに、その行動とは反対に、悟から流れ込む感情に、仁美は凍りつきそうだ。
「…仁美…。」
悟は首筋に唇を触れさせると、傑が付けた痕に被せる様に痕を付けた。
「君が利口だと、信じてるよ。」
これ以上悟を刺激しない様に、釘をさす。
たった一瞬、昔の面影を見せた悟は、また今世での悟の表情に戻った。
仁美は悟に返事をしないで、今度こそ悟から離れて高専を出た。
前世の悟と、今世の悟は明らかに違う。
仁美は胸を抑えながら、悟の行動を思い返す。
五条悟とは、どう言う人間だったっけ。
悟の全てを知っていたと思っていた事は、とんだ思い上がりだったと、初めて気が付いた。