【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第3章 五条悟とは※
「やっぱり仁美は僕のモノだった。」
目隠しを取って仁美を見る悟は、恋人をやっと見つけた様な、愛おしそうな顔で、仁美を見た。
その顔が、回帰前に見た、悟の表情だったので、仁美は目眩がした。
仁美は悟の手を、咄嗟に払った。
また諦めて、この腕の中で、回帰の瞬間を待つしか無いのか。
そんな今世は、もう耐えられない。
仁美は自分の服をグッと力任せに剥がした。
ブレザーのボタンが廊下に転がって、仁美の首元が顕になる。
そこには傑が付けた情事の痕が、しっかりと赤く残っていた。
「…私が、五条さんのモノだった事なんて、一度もありません。」
仁美はその痕を、悟に見せつける様に、睨みながら悟を見た。
その痕の多さに、どれだけ傑と仁美がその時間を過ごしたのか、容易に想像が出来た。
悟の顔が戸惑いと、怒り、色々な感情が混濁していた。
その目が歪んだのは、悲しみの色だった。
こんな悟の顔を見ると、仁美の胸だってギュッと痛むんだ。
その痛みにまた仁美の顔も歪んだ。
だからどうか…。
「…本当に放っておいて下さい。」
愛する人を愛する事の出来ない、呪いの様な回帰だ。
どうか、悟だけはその輪廻の輪から外れて、恋人が死ぬ様な未来を変えて欲しい。
自分がもし、真実の相手を見つけられなくて、また回帰したとしても、その時にはどうか、悟は傷つかないで。
自分の事で悟が悲しむのは、もう見たく無い。
悟はグッと仁美の肩を掴んだ。
もう仁美は顔を上げて悟を見る事はしない。
「…じゃあ教えてくれよ。」
ぎゅっと瞑った黒い視界から、悟の声が力無く聞こえた。