【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第3章 五条悟とは※
仁美は次の日にすぐに、夜蛾学長の元に向かった。
自分の1級への推薦に、七海を逆指名する為に。
アポを取り、学長室のドアを時間通り開けた。
開いたドアの先に、夜蛾と悟が居るのを確認して、仁美は目を顰めた。
「…いい所に来た。」
夜蛾がそう言ったのを聞いて、仁美の不審は確信に変わる。
前世の記憶より、ソレは早い段階だった。
「…何してるんだ。」
仁美が部屋の中に入ったら、悟は仁美の横に立ち、彼女の頭を撫でていた。
夜蛾の言葉で、悟はやっと今自分がしている行動に気が付いた様だ。
改めて、仁美に触れていた自分の手を、不思議そうに見ていた。
悟にとって、側に居る仁美に触れるのは、無意識の行動の様だ。
仁美は悩んでいる悟には、目も向けないで、夜蛾に言った。
「1級への昇格資格を得たいです。」
「…丁度悟から、その話を受けていた所だ。」
やはり思っていた通り、悟は仁美の話をしにここに居たようだ。
そして回帰前と同じ様に、昇進資格の賛否の同行に、悟自身が名乗り出ていた様だ。
あの特級との戦いを見ていたのは悟だ。
仁美の昇給を打診する事に、当たり前の様な行動でも、仁美にとっては、何か裏がある様に思えて仕方が無い。
無理も無い。
仁美にとって、五条悟とは、そう言う男だった。
悟が同行者の正式な指示が出たのは、もう少し先だったはずだ。
もしかしたら前世でも、こうして早い段階から悟は動いていたのかもしれない。
本当に、悟のその行動が煩わしかった。
それでも前世とは違って、今その場には自分が居る。
仁美はぎゅっと拳を握った。