【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
もううんざりなのだ。
繰り返される痛みにも、絶望にも、決して仁美を愛さない、悟に縋るのも。
仁美は頭を抱えて、ため息を吐いた。
(…今までにやらなかった事。)
悟との出会いを回避する事は無理だと分かった。
なら、出会っても、悟が自分を愛さない様にする事だ。
どうせ真実の愛じゃ無いのだ。
『こんな気持ちになったの初めてだ。』
そう言ってキスをして、仁美の体に貪り尽く悟の記憶が蘇る。
触れる唇はとても優しく、合う目は本当に愛おしそうに仁美を見ていた。
(アレが真実の愛じゃ無いのなら、何がそうだと言うのだろう。)
あんな風に仁美に触れて来て、愛して無かったなんて、怖すぎる。
とにかく、今回の回帰で仁美がやろうとしている事。
夏油傑に会い、10ヶ月後に起こる、百鬼夜行で夏油一派につく事。
百鬼夜行も回避出来ない出来事だった。
愛した悟が傷付かない様に、百鬼夜行を止めようと何度かは挑戦した。
悟に話しても、高専に話しても、結果は止められなかった。
ならば今世では、百鬼夜行を利用してやる。
どうせ死ぬ運命に向かっているなら、道徳や正義感を守っていたって仕方ない。
20回も死ねば、もうそんな事、どうでもいい。
まずは、夏油傑に会いに行く。
ソレは21回目での、初めての行動だった。
傑の居場所を探すのには、そんなに苦労しなかった。
彼は、非術師との接触を極力無くしていたが、隠れている訳では無かった。
傑の集団の様に、呪術界に特段損害が出ない呪詛師の集団は、監視状態だからだ。
悟ももしかしたら、そうやって、たまに傑の様子を伺っていたのかもしれない。
かつての親友が、今どんな事を思って生きているのか確かめる様に。