【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第19章 最終章
この人はここまで来て、魂の縛りを解かなかった。
全ては仁美の呪いの為。
悟を苦しめたのは仁美だったのに。
「ーごめんなさい…。」
仁美は顔を覆いながら呟く様に悟に言った。
どんなに謝っても20回回帰した悟が呪いから放たれる事は無いのに。
あの悟達はどんな思いで、その後を送っていたのだろう…。
そして今目の前にいる悟はどんな気持ちでここに来たのだろうか…。
「…仁美……おいで……。」
泣き続ける仁美に悟の声は優しく、手を差し伸べる。
仁美は顔を覆ったまま首を横に振った。
「……ごめんなさい……。」
「…何で謝るの?」
一向にこちらに来ない仁美に悟は自分から足を進める。
「…私…が……悟を呪った……。」
そして悟を苦しめた……。
部屋中に充満している術式の記憶が悟に真実を教える。
「…仁美のせいじゃ無い…。」
仁美1人では呪いが完成出来たはずが無い。
自分が呪力を注いで呪いを完成させたのだから。
ただ仁美の為にーーー。
悟は仁美の体をぎゅっと抱き締めた。
「僕はそれでも構わなかったんだ……。」
耳元で悟の声が聞こえて、仁美はやっと顔から手を離した。
悟は仁美の顔に触れると、顔を覗き込む様に言った。
「仁美が側に居てくれるなら、呪いだろうが全て構わなかった。」
そう言って仁美にキスをすると、繋がれている魂が同じ様に金色に輝いた。
何だって構わなかった。
この感情が呪いでも愛でも。
ただこうして仁美の側に居て、彼女に触れたいだけだった。