【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第19章 最終章
それが分かった瞬間に、悟は歓喜の涙を流しながら笑みを浮かべた。
仁美が僕から離れたく無いと、呪いをかけようとしてまで縋り付いてきている。
それがどれほど悦びだったのか、仁美は分からないだろう。
悟はぎゅっと握られているお互いの手を見る。
……ああ、だけど…。
仁美の呪力では到底僕を呪えそうも無い……。
悟は目を細めて仁美の手をさらに力強く握った。
それなら……。
僕が呪ってあげるから。
「……よく頑張ったね…もう大丈夫だよ…。」
そう言って悟は、仁美ににっこり笑った。
不完全な呪いは僕の呪力で完成させる。
仁美の望みは何?
僕はそれが叶う様に自分の呪力を使うだけだ。
仁美の呪いだけでは不安だ。
君が何度回帰しても、絶対に僕と出会う。
何処に居ても見つけて、仁美の真実の相手は永遠に僕だけだ。
仁美がそう願っているのなら…。
その為には魂すら君に捧げよう…。
「…また、次の世界で逢おう。」
悟は力が抜けた仁美の体を抱き締めて、そう呟いた。
術式の記憶が全て教えてくれた。
仁美は自分がした事に涙を流しながらその顔を両手で覆った。
やっと全て分かった。
悟が呪ったのなら、何故こんなに中途半端な呪いだったのか……。
魂が抜けた体を抱き締める事で決して悟は満足していた訳ではなかった。