【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第19章 最終章
小屋のドアは簡単に開いた。
久しぶりに会う呪詛師は何処か疲れている様だったが、もうそんな事に気を使うことはしなかった。
「……散々な呪いだったよ…。」
仁美は呪詛師を見下ろしながらポツリと言った。
「大体さぁ!真実の愛って何?!
真実の相手見つけても結局死ぬしさ、本当にくだらない呪いだったよ!」
別にこの呪詛師には恨みは無いはずなのに、見ていればやはり愚痴が溢れて止まらない。
しばらくワー、ワーと叫んで、言葉が続かなかくなった所で仁美は一息吐いた。
「………でもいい事もあったよ…。」
傑に会えた。
そして呪いがなんて言おうと、誰がなんて言おうと。
悟と傑がくれたモノは間違いなく愛だった。
そして仁美はそんな彼らを愛していた。
ふぅと仁美はこの1年を振り返ってみる。
20回の回帰の中で、初めて悟と出会ったあの回帰を除けば、1番良かった年かも知れない。
悟ともっと愛し合えた回帰もあった。
それでもこの回帰では知らなかった悟を沢山知った。
本当は嫉妬深くて、怖いぐらいに束縛してきて。
その愛に応えた時に、悟は本当に幸せそうに笑った。
この世の中で2人だけいれば幸せになれる様な。
五条悟がどれほど自分を愛しているか気が付けた。
憂太の様に呪いの愛に応えてあげれば良かった。
そしたらもしかして折本里香の様に、悟も満たされた愛を感じたなら自分から呪いを解呪したのかもしれない。
大体20回の回帰は悟が猫を被っていたからいけないのだ。
初めからああして本性を出して、その呪いを全面に出していても。
愛したはずだ。