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【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第19章 最終章


百鬼夜行から2ヶ月後、仁美はノルウェーのトロムソに居た。

このトロムソという地域にはオーロラベルトというオーロラ帯があり、空を見上げれば幻想的なオーロラが何重にも重なり。

まるでカーテンが揺らいでいる様に波を打っている。

空一面のオーロラに目を細めて、仁美はグッと頭まで被っているコートを握った。

再び現れた術式の模様は全身に広がり、もう顔まで侵食していた。





自分の死がもう目の前に迫っていた。



20回も死んだのだ。

その日付、その時間は確認しないでも体に刻まれている。

このオーロラの下に居るのは、別に綺麗なモノを見ながら死にたいからじゃない。

ここに居るからだ。

逃げたあの呪詛師の末裔が。

傑との約束を果たす為に、仁美が出来た事は、再び呪詛師を探す事だった。

だけれどもやっと見つけた時にはもう。

死は目前に迫っていた。

仁美は苦笑しながら目を伏せた。

結局、傑の愛に答える事は出来なさそうだ。

傑が居なければ満足に呪詛師を追う事すら出来ない。

コレで死んで傑に会ったなら、あなたは怒るだろうか。

それもと呆れながらいつもの顔でやっぱり抱き締めてキスをしてくれるのではないだろうか。



ああ…それも悪くない…。

悪くないよ…傑。


傑に怒られてると分かっていても、コレで良かったと思ってしまう。

でもせっかくここまで来たのだから、自分の死際はしっかり看取ってもらおう。

くだらない術式を親族がかけたんだから、その位はして貰わないと。


仁美は一軒の小屋の前でそのドアに手をかけた。

もう呪詛師が出している簡易領域は怖く無かった。

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