【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第18章 百鬼夜行
その衝撃に仁美も無傷ではいならなかった。
少し近づき過ぎた様だ。
それでも体を動かさない程では無かった。
静まり返った戦場で、姿を消していた傑の後を追った。
「ーー本当に素晴らしいよ……。」
折本里香の力を目の当たりにして、傑は呟く様に言った、
ズリ…ズリ…っと壁を伝う様に傑はまだ高専内の通路を歩いていた。
庇っている右腕も足も、里香の攻撃が直撃した訳では無い。
それでも右腕は焼け爛れて居て、逃げようとする傑の足枷となっている。
「…正に世界を変える力だ…折本里香さえいればセコセコと呪いを集める必要も無い。」
うずまきと折本里香との衝突。
結論から言えば傑は敗北したのだ。
それでもまだ彼が笑顔なのは、次への希望に満ち溢れているからだ。
素晴らしい呪霊をこの手に収める。
傑はその希望だけで体を前に進める。
「次だ!次こそ手に入れる…!」
百鬼夜行で使った家族への損害。
次の作戦に移るには膨大な時間を使うだろう。
だか、その信念は折れたわけでは無かった。
………仁美を見るまでは……。
新宿に配置させた仁美が現れなかった。
そしてその仁美が今目の前に居る。
「…傑…っ。」
仁美はすぐに傑の元に駆け寄り彼の体を支えた。
……ああ……何で気付かなかったのだろう。
『すごくいい事思い付いた。』
そうして嬉しそうに笑った仁美の顔。
回帰も死すらも受け入れていた仁美の気持ち。
今目の前に仁美が現れて初めて気が付いた。
自分の指示にも従わずにこの場に現れた仁美。
仁美の目的はコレだったのだろう。
死に行く自分を助ける為だけに、彼女は今日まで過ごしていたのだ。