【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第18章 百鬼夜行
考えている悟に伊知地が走り寄ってきた。
「五条さん!報告が…。」
伊知地は戦闘要因では無い。
彼の持ち回りはこんな戦場の真ん中では無いのに、わざわざ走ってこちらに向かって来る。
ソレが火急の知らせと分かっているのに、悟は駆け寄る伊知地を見ようともしなかった。
「……どうなされました?」
「いや……。」
そもそも傑がこの最前線に居ないのが引っかかる。
(あの目立ちたがりが新宿に居ないのなら、京都の方かもしれない…。)
ソレなら京都側から何らかの連絡があっていいはずだ。
そして何より、傑の側に居るべきの仁美の姿も見当たらない。
自分の目の前から仁美を連れて行った時の傑の表情で、傑が仁美をどんな風に使うのかは想像出来た。
悟の相手をさせて、悟の判断力を少しでも削ぐためだろう。
そんな使い道のある仁美も、傑もこの場に居ないのだ。
疑問が膨れて無視出来なかった。
考えても今答えが出る訳でも無かったから、悟は伊知地の報告を聞くことにした。
「何でも無い。どうした?」
「こんな時にとは思いましたが、早い方がいいかと…。
以前調査しれた乙骨くんの件です。」
「…………。」
伊知地は悟にだけ聞こえる様に調査の結果を報告した。
その報告は確かに百鬼夜行とは関係が無い話だった。
だけれども、悟の懸念を解消するには充分な内容だった。
伊知地の報告、この場に居ない傑。
悟の出した結論だとすれば……。
それは相当マズイー。
「パンダ!棘!」
悟の側で戦闘体勢に入っていた2人を呼び寄せる。
「どうしー!」
「質問禁止!今から2人を呪術高専に送る!」