【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第17章 異榻同夢②※
彼女は笑った。
今まで見た事の無い笑顔で。
見ていて顔が歪むくらいに
その笑顔はとても美しかった。
だけどもそこに居る誰もが。
何故彼女があんなに嬉しそうに笑ったのか。
誰も分からなかった。
語られた傑の凶行。
仁美の理解出来ない行動。
その場の異様な緊張感を崩す様な声がその場に響いた。
「あーーーーーー!」
スマホを見ながら菜々子が雄叫びの様な声を出す。
いつもの騒がしい菜々子に、傑達の緊張感が緩んだ。
「夏油さま!お店閉まっちゃう!」
「もうそんな時間か。」
さっさとペリカンの口の中に入っていく呪詛師達を見て、仁美は戸惑っていると、傑が手を出して乗せてくれた。
傑を見ながらニコッと笑うと、仁美はもう悟達を見ないでそのまま呪霊の中に入っていく。
視線はもう痛く無かった。
「すまないね悟。彼女達が竹下通りのクレープを食べたいときかなくてね、お暇させてもらうよ。」
悟を見ながら傑は笑顔で言った。
仁美を連れて行く事には何も触れない。
あたかも初めから決まっていた事のように自然に、仁美は傑の元に行った。
「はやくー!」
「いやはや、あんな猿の多い所の何がー。」
あまり前向きでは無い傑が背を向けた。
「このまま行かせるとでも?」
「……やめとけよ。」
悟の言葉に傑は巨大な一つ目入道の呪霊を出した。
次々と現れた呪霊が憂太達を囲って行く。
「かわいい生徒が私の間合いだよ。」
憂太達は各自身構えるが、交戦し切れる数では無かった。
悟らが入ってきた所で無傷でいられる距離では無い。