【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第17章 異榻同夢②※
そして傑は改めて呪術師達の前に体を向けると、集まっている彼らに向かって高らかに宣言した。
「お集まりの皆々様!耳の穴かっぽじってよーく聞こう!
来たる12月24日日没と同時に我々は『百鬼夜行』を行う!」
高専で、しかも周りは上級呪術師が集まっている。
その中で不敵にも傑は堂々と犯行声明を掲げた。
「場所は呪いの坩堝『東京新宿』、呪術の聖地『京都』。
各地に千の呪いを放つ。
下す命令は勿論……『鏖殺』だ。」
その場に緊張感が再び走った。
未だかつて、呪術界にこんな大胆不敵な行動を取った男はいただろうか。
見過ごす事の出来ない前代未聞の凶行。
その傑の姿を見て足が前に出た。
「……ああ……それと……。」
皆が傑の動向に気を向けて緊張している中、ゆっくりと仁美は歩いた。
誰もそんな彼女を止めなかった。
「迎えに来た。」
そう言って仁美に手を差し出す傑はいつもの笑顔だった。
まるで皆んなに見守られる様に仁美は傑のその手を取った。
ずっとこの瞬間を待っていた。
背中から様子を伺う様な緊張感が伝わる。
そしてその中には悟の視線も感じた。
仁美はゆっくりと振り返った。
この瞬間。
今世で足掻いていた答えがやっと分かる。
あなたは今どんな顔をして私を見ている?
傑の手を握り真っ先に見た悟の表情に仁美は目を細めた。
周りは少なからず動揺している者もいる中。
静かに。
そして冷静に。
悟は表情を少しも崩さず仁美を見ていた。
ああ……悟……あなたは……。
本当に縛りを解呪したんだ。