【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第17章 異榻同夢②※
「ーーーー。」
あまりにもサラッと言われた傑の言葉に憂太は固まった。
ーーー何を言っているんだ?
憂太達の戸惑いが隠れないでそのまま表情に出ていた。
彼らはそこに至った傑の経緯を知らない。
当然の反応だった。
その倫理的におかしな思想を、あたかも当たり前の様にいいのける傑に改めて生徒達に嫌な緊張感を与える。
目の前男は『ヤバい』。
そのおかしな思想を何の間違も無く、正すべき姿と掲げている。
そんな嫌な空気を払ったのもまた。
傑のその手練手管に慣れている男だった。
「ー僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないでもらおうか。」
聞き慣れた。
そしてひどく懐かしい声が傑の後ろから聞こえた。
傑はゆっくりとその声に振り返った。
「……悟ー!久しいねー!」
一瞬目を細めてから、傑は笑顔で悟に手を挙げて言った。
悟の後ろには夜蛾をはじめとする高専の専属呪術師達。
その中に居る仁美を傑は確認する。
「まず、その子達から離れろ、傑。」
傑の笑顔にたいして、悟は1ミリの笑顔を見せない。
その緊張感からは背後に居る懐かしい面々からも伝わって来る。
かつての後輩だった七海と先輩だった冥冥。
他にも顔ぶれの呪術師達が集結されて臨戦体制に入っている。
その錚々たる面々が今の状況がどんなモノなのか、憂太達に伝えている。
しかし傑はその状況に白けた顔をしている。
そこにわざわざ高専にまで乗り込んできた余裕すら見えた。
「今年の一年は粒揃いだと聞いていたが…なるほど、君の受け持ちか。」
『まさか君が教師なんて』。
そんな友人の様な言葉は出てこない。
傑はスッと生徒達に目線を送る。