【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第17章 異榻同夢②※
不思議だ。
今世は同じ場所で寝る時はお互い違う未来を望んで。
こうして違う場所で寝れば同じ夢を追う。
悟の感情が、愛なのか執着なのかなんてどうでもいいと思える様な。
自分が悟を愛しているからなんて事無いと言える様な。
そんな普通の出会い方をしたかった。
愛でも執着でもどっちでも構わないくらい。
20年ずっと………。
「……愛してる……。」
仁美は悟に触れる事無くそう呟くと、そのまま部屋を出た。
朝目を覚ましたら、もうそこに仁美の姿は無かった。
寝る前に掴んでいた彼女の体の感触は、もうすでに残っていなかった。
本当に仁美は自分の元に残らないと分かった。
「………ああ………本当に…………。」
もうどうでもいい。
仁美が側に居ないなら。
この腕に抱かないなら。
もう何もかもどうでもいい。
『愛してる。』
もうそう言って抱きついてくる愛しい人は居ない。
知りたく無かった現実に悟は目を閉じた。