【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
『仁美愛してる、絶対に離さない。』
そう言って、私を抱きながら、中で果てる悟の体温を覚えたまま、21回目の回帰をする。
アレから21年間、悟はずっと同じ言葉で仁美を殺す。
目が覚めると、うんざりする位見上げた天井が目に入ってくる。
(ああ、また戻って来たんだ…。)
仁美は薄っすら目を閉じて、瞼の上に腕を置いた。
もう呪いで死ぬのも、回帰するのもうんざりだ。
瞼の上に置いた手首を見ると、やはり術式が込められた模様が付いている。
いつも仁美の最後は、この模様が全身を覆い、想像を絶する様な痛みの中、死んでいく。
もう、20回同じ呪いで死んでるのだから、想像は簡単に出来る。
2度と味わいたく無い。
その一言だけだ。
ソレを20回繰り返すと、こんなにも人の心は蝕まれる様だ。
愛してやまなかったあの男が、今は憎くてしょうがない。
仁美はゆっくり、体を起こして、自分の部屋を見渡した。
間違い無く、あの呪詛師に術式をかけられた次の日の光景だ。
脱ぎっぱなしの服も、買って来ていた飲み物も、全部見覚えがある。
仁美はギュッと布団を掴んだ。
コレから一ヶ月後、五条悟に出会う。
ソレはどんな形でも訪れる。
仕事現場、海、山、海外。
シチュエーションは色々あったが、会いに行っても、逃げても、悟は仁美に一目惚れする。
仁美は自分の姿を鏡で見る。
そこに映っている姿は、悟が一目惚れしてもおかしく無いほどの美人が映っている。
23年生きて来て、最近はこの容姿を恨んでばかりだ。
回帰を含めたら、43年生きた事になる。