【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
「いや〜美男美女でお似合いやね、そう思えへん?」
「………そうね……。」
「ははっヤキモチ妬いてるん?」
良家の顔合わせは本人達だけみたいだか、一見さんでは入れない様な大きな料亭で行われた。
庭先から面白そうに部屋の中を覗いて直哉が笑っている。
「……何で私を呼んだの?」
とても不愉快な時間に仁美は眉間に皺を寄せて直哉に聞いた。
直哉が言う通りお似合いの2人が部屋の中に居るのだから。
「そら悟くんと仁美両方に牽制の為やろ。
ここまで人巻き込んどいて結局2人が結ばれたら頭くるやろ?」
そう笑って言い切る直哉は、本当にいい性格をしている。
仁美はこの後は悟では無く傑と一緒に居る気だと、直哉には伝えても良かったかもしれない。
いや、百鬼夜行の絡みもあるから軽々しく言えない。
ここはグッと我慢するしか無いのだろか。
仁美が顔を歪めていると、直哉が仁美の手を握った。
「どうせなら俺らも楽しもか。」
そう言って笑いながら仁美の手にキスをした。
「他の部屋に俺らの食事も用意しているさかい。」
直哉の手に引かれて仁美は歩き出した。
正直ホッとした。
ずっとあの2人を見るのはしんどかった。
「あの2人京都でもすごく仲が良かったんですよ。」
庭を移動している2人を目を細めて見ながら禪院遥は言った。
「……へー…そうなんだ……。」
悟は同じ光景を見ているのに、遥の様に決して穏やかな顔では無かった。
「今日の着物もきっと直哉さんが用事したんでしょう。
彼女に着付けしている時の直哉さんは見た事無い位穏やかなんですよ。」